銀河戦艦ヤクシオン 第1話 -はじまりとおわり-

戦艦チクシオンが撃墜されてから半年が経過した。
連邦政府は新たな戦艦「ヤクシオン」を完成させ、ルノワール軍との戦いに挑もうとしていた・・・

艦長「まさかこの年で艦長に任命されるとはな。運命というものは分からないものだ・・・」

副艦長「今年でいくつになられましたか？」

艦長「６５になったよ。今年の誕生日は孫に『孫』を歌ってもらったよ」

副艦長「いいお孫さんですね」

艦長「報酬としてお金を取られたよ。まったく、息子共々金に執着しおる」

副艦長「お金は大事ですからね」

艦長「そうか、そうだったな・・・。今の話は忘れてくれ」

副艦長「今晩夢に出てきます」

艦長「そろそろ時間か・・・。オペレーター！システムの調子はどうだ！」

オペレーター「システム！オールレッド！」

艦長「え？・・・オールレッド？」

オペ「はい。真っ赤です」

艦長「ええっと、それってどういう事かな？」

オペ「赤は縁起がいいと、私の叔母が言ってました。」

艦長「じゃあシステムは良好なのかね？」

オペ「いいえ、異常ありまくりです」

艦長「そ、そうか・・・。直ちにメカニックマンに伝えるんだ！」

オペ「了解！
各メカニックマンに告げる！各メカニックマンに告げる！
赤は縁起がいい！赤は縁起がいい！」

艦長「君ぃ！伝えるのはそれじゃないだろ！異常を直せって伝えるんだよ！」

オペ「それを早く言ってください」


副艦長「艦長も大変ですな」

艦長「まったくだ・・・。しかし、ヤクシオンはチクシオンとは違う。
同じ事は繰り返さんよ」

副艦長「違うと言いますと？」

艦長「武装が強化されておる。最新の武装でルノワール軍なぞ一捻りだ」

副艦長「なるほど。
しかし、外装を見る限りそういった武装は見当たりませんでしたが？」

艦長「何だと・・・？武装整備班！武装はどうなっておる！」

整備班A『それが・・・』

艦長「何だ？旧式でも届いたのか？」

整備班A『取れたてのブドウが大量に届きました』

艦長「な、なんだと！？」

整備班A『艦長の差し入れかと思っておいしくいただきました』

艦長「そんなわけないだろう！食ったら返品出来ないじゃないか！」

副艦長「まいりましたな・・・」

艦長「うむ。しかし、武装はなくともまだ最新のシールドがある」

副艦長「・・・一応確かめておいた方がいいのでは？」

艦長「シールド整備班！シールドの調子はどうか！」

整備班B『良好です！』

艦長「そうか！良好か！」

整備班B『はい！最新のビックリマンシールが大量に届き、半数以上がキラキラシールです！』

艦長「・・・え？今なんて？」

整備班B『シールですよシール！ビックリマンシール。
今全員で戦艦に貼り付けてます』

艦長「ば、馬鹿者ー！そんなもん貼り付けてどうする！」

副艦長「これはまた、すごいですな・・・」

艦長「・・・オペレーター！システムは回復したか！」

オペ「システム！オールレッド！」

艦長「よーし！」

副艦長「艦長・・・」

艦長「うむ！総員、退艦！」

「「「「「ラジャー！！」」」」」


こうして、ヤクシオンは日の目を見る前に歴史から消えた・・・