藻のような航海でした
もの凄く唐突に題名を思い付きました。
当事者がここ見てるのか分かりませんが、見ちゃったら笑って許して下さい。
当事者がここ見てるのか分かりませんが、見ちゃったら笑って許して下さい。
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「せんせぇー!小林くんがまた船作ってまーす!」
「こーらっ!小林くん!今は何の授業ですか?」
「・・・国語です」
「正解。じゃあもう一問。国語の授業は、船を作る時間ですか?」
「・・・いいえ」
「じゃあ、船はしまって、みんなと国語の授業をしましょうね」
「・・・自分、不器用ですから」
「わかるわ」
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幼少期の小林は、三度の飯よりも船が大好きであった。
だが、当時の彼の実家は、内陸部であったため、実際に船を見たことはなく、本とテレビでのみの知識しかなかった。
と、思ったが、彼の実家には、テレビはおろか、ガスもねー、ピアノもねー、仁奈の村には電気がねーでごぜーます!
といった有様だった。
「いつか、ビッグになって、自分用の船を買うんだ!」
それが、彼の口癖であった。
多感な中学時代には、船に乗るより、女に乗ってた方がうっひょー!
と、思春期にありがちな、にわか知識で妄想にふける毎日を送っていたため、高校まで、船からは離れていた。
高校に進み、目が覚めた小林は、中学時代を後悔しながらも、再度、船にのめり込む。
と、同時に、木に関しても関心をもつ。
これは、昔の船は木によって作られていたことに起因する。
「なるほど、シダーという言葉は、針葉樹を中心とする広い範囲の樹木を指す概念なのか(wiki引用)」
「なんか、シダーって響き、好きだな・・・」
船の知識の他に、小林は木の知識も習得していった。
--夢は・・・、結局夢なんだ--
高校を卒業した小林に、社会という名の試練が待ち構えていた。
明日を生きるため、彼は必死に働いた。
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いつしか、自分の船を買うという夢も記憶から消えてしまっていた。
だが、人生とは分からないもの
再び、夢を思い出す機会が現れる
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仕事も順調で、綺麗な嫁を貰い、子宝に恵まれた小林。
全ては順風満帆であった。
幼い子供を寝かしつけた後、1日の疲れを癒やすついでに、ネットサーフィンをしている時、
ふと、一つの広告が彼の目に留まった。
「へぇ、大航海時代Onlineなんてゲームがあるんだ。
大航海時代といえば、移動手段は船がメインだった、な・・・」
船というキーワードで、彼は思い出した。
「船・・・か、そういえば、子供の頃は、いつか自分の船を買うんだって言ってたな」
昔の記憶が蘇り、苦笑しながら当時の自分の夢を思い出す。
--現実じゃなくても、夢は叶えられるよ--
誰の言葉だっけか・・・、今となっては忘れてしまったが、この言葉だけは思い出せた。
「そうだな、現実じゃなくてもいいじゃないか」
耳を澄まさなければ聞こえない程の音量で、彼はつぶやき、広告をクリックした。
「名前か・・・、船が好きだったから、それに関連する言葉を入れようかな」
自分の分身となる、ゲーム内のプレイヤーの名前に、彼は悩んだ。
「大航海時代だから、船は主に木だよな。
木、木・・・、シダー、シーダー、・・・木が由来だろうって思う人もいるか。
じゃあ、似たような言葉で・・・、ジーダーにしよう。
でも、これだけじゃ何か物足りないな・・・。
うーん・・・、小林・・・、こんばやし・・・、コヴァヤ・・・、コヴァシ・・・、
コヴァチッチ・・・、パヌッチ・・・、コヴァン・・・、○ヴァン!
○ーダー・○ヴァン!ありそうでなさそうな名前でいいじゃない!」
こうして、大航海時代Onlineでの小林は、ジーダー・コヴァンとして、
また、PLXのリーダー?として、NOTOS鯖内で名を馳せていくのであった。
彼の冒険は、始まったばかりである。
初出:聖典ムサッシ 第3章「○ーダー・○ヴァン物語 -後半はなげやりです-」
この歌、初めて聞いたのは千早Verですが、原曲の方が好きでもあり、千早Verも好きです。
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